第92回アカデミー賞の授賞式が日本時間の2月10日に開催されます。
ノミネーションは1月13日に発表されましたが、今年は『ハスラーズ』のジェニファー・ロペスが候補から漏れてしまったことが話題になりましたね。
アカデミー賞の前哨戦では、地方の批評家賞など数多くの映画賞が存在しますが、その中で最も重要視されるのが全米映画俳優組合賞です。その次に重要となるのが、ブロードキャスト映画批評家協会賞とゴールデン・グローブ賞です。ノミネーションを予想する上ではこの3賞の結果が重要となり、3賞すべてにノミネートされているとオスカー候補を有力視されます。しかし、今年のジェニファー・ロペスのように3賞すべてにノミネートされていても、オスカーの候補には挙がらない俳優もいます。
今回は、過去10年間で3賞すべてで候補に挙がったものの、アカデミー賞にはノミネートされなかった俳優たちを取り上げます。
第91回アカデミー賞
エミリー・ブラント『メリー・ポピンズ リターンズ』
この年は『クワイエット・プレイス』の演技でも高い評価を受けていて、Wノミネートのチャンスもありましたが、どちらも落選してしまいました。過去にも何度かオスカーチャンスはあったものの、なかなかノミネートまでは辿り着かないですね。
ティモシー・シャラメ『ビューティフル・ボーイ』
前年に『君の名前で僕を呼んで』で主演男優賞にノミネートされ、今度は助演男優賞で2年連続のオスカー候補を狙いましたが、『バイス』のサム・ロックウェルに逆転されてしまいました。
第90回アカデミー賞
ジェームズ・フランコ『ディザスター・アーティスト』
本作でゴールデン・グローブ賞ミュージカル/コメディ部門の主演男優賞を受賞し、『127時間』以来2度目の候補を目指しましたが、スキャンダルの影響もあったのかノミネートならず。
ホン・チャウ『ダウンサイズ』
アレクサンダー・ペイン監督作で旨味のある役柄を演じて注目されたものの、初のオスカー候補は逃してしまいました。
さらにアレクサンダー・ペイン監督作からは4作続けて演技賞候補者が出ていましたが、その記録も途切れてしまいました。
第89回アカデミー賞
エイミー・アダムス『メッセージ』
オスカー常連のエイミー・アダムスは、今まではチャンスがあった時は毎回候補に挙がっていましたが、今回初めてサプライズ落選となりました。
第88回アカデミー賞
マイケル・シャノン『ドリーム ホーム/99%を操る男たち』
この年の助演男優賞部門は大混戦だったので候補に漏れてしまいましたが、翌年のアカデミー賞では『ノクターナル・アニマルズ』の演技で2度目のノミネーションを獲得しました。
ヘレン・ミレン『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』
『クィーン』でオスカーを受賞済みのヘレン・ミレンは、5度目のノミネートを狙ったものの落選。
第87回アカデミー賞
ジェイク・ギレンホール『ナイトクローラー』
前哨戦での受賞数は2番手で、『ブロークバック・マウンテン』以来2回目の候補が確実視されていたものの、ノミネートならず。
ジェニファー・アニストン『Cake ケーキ/悲しみが通り過ぎるまで』
作品自体の評価は高くなかったものの、増量して役柄に挑んだジェニファー・アニストンの演技は好評を得て、3賞すべてにもノミネートされ、念願のオスカー候補も期待されたが、残念ながらノミネートされず。
第86回アカデミー賞
トム・ハンクス『キャプテン・フィリップス』
この年のノミネーションは逃してしまいましたが、第92回アカデミー賞では『幸せへのまわり道(A Beautiful Day in the Neighborhood)』の演技で19年ぶりに候補に挙がりました。
エマ・トンプソン『ウォルト・ディズニーの約束』
『ハワーズ・エンド』で主演女優賞を、『いつか晴れた日に』で脚色賞を受賞した経験があるエマ・トンプソンは、5度目の演技賞候補まであっと一歩というところで、『アメリカン・ハッスル』のエイミー・アダムスに逆転されて久々の候補入りはならず。
ダニエル・ブリュール『ラッシュ プライドと友情』
ロン・ハワード監督作でF1レーサーのニキ・ラウダを演じ、高い評価を受けましたが初のオスカー候補は叶わず。
第85回アカデミー賞
ジョン・ホークス『セッションズ』
全身麻痺の役柄をユーモラスに演じて、『ウィンターズ・ボーン』以来2度目のノミネートを狙ったものの落選。
マリオン・コティヤール『君と歩く世界』
『エディット・ピアフ 愛の讃歌』でオスカー俳優となったマリオン・コティヤールは、本作では候補落ちしてしまいましたが、第87回アカデミー賞では『サンドラの週末』の演技で2回目のノミネーションを獲得。
第84回アカデミー賞
レオナルド・ディカプリオ『J・エドガー』
本作でのノミネートは逃しましたが、その後『ウルフ・オブ・ウォールストリート』で候補に挙がり、『レヴェナント 蘇えりし者』で遂にオスカー俳優となりました。
ティルダ・スウィントン『少年は残酷な弓を射る』
『フィクサー』の演技でオスカー俳優となり、2回目のノミネートも有力視されていましたが、『ドラゴン・タトゥーの女』のルーニー・マーラに逆転されて落選。第87回の時にも『スノーピアサー』での怪演でオスカーチャンスがありましたが候補には挙がらず。
第83回アカデミー賞
ミラ・クニス『ブラック・スワン』
ナタリー・ポートマンがオスカーを受賞した本作で、主人公のライバルを演じ注目されたものの、『アニマル・キングダム』のジャッキー・ウィーヴァーとの争いに敗れて、初のオスカー候補は果たせず。
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